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㉘「祖父の病気をきっかけに」〔中学生人権作文入選作より〕(H30.2.16)

 今回は、ある市の人権作文コンクールで入賞した中学生の作文を紹介します。

 「 H市に住む私の祖父は、網膜剥離と診断され、Y市の病院で手術を受けた。(中略)夜、母より手術が無事終わったとの電話が入り、ほっとしたことを今でもはっきり覚えている。今まで、目が見えないということを考えたこともなかったけど、いろんなことが気になりはじめ、目の不自由な人たちはどうやって生活されているのか疑問に思い、弟と家の中や戸外でどんな工夫があるのか探してみることにした。

 まずは交差点。信号機が青に変わるとピヨピヨと鳥の鳴き声が聞こえてきたが、以前住んでいたところでは、“通りゃんせ”の曲を聴いたこともあった。ふと地面に目を降ろすと点字ブロックが敷きつめられている。カーブや道が途切れる所は、何個かつながることでわかるようになっている。

 銀行や郵便局にも立ち寄ってみた。キャッシュコーナーでは点字や音声で教えてくれる。郵便局では実際に目をつぶり、点字ブロックを体験した。今まで見えていたものが見えなくなるのは怖い。おそるおそる歩いて何とかドアにぶつからないように歩くことができた。が、ずっと見えないということが考えられない。家に入ってみると、シャンプーの頭の部分にはデコボコが、洗濯機や父の飲んでいるビールにも点字が。本には、点訳されたものや朗読でテープにおさめられているものがあると母から聞いた。時計は音楽や音で時刻を知らせてくれる。お金は大きさや形で区別がつく。カードは切り込みの入り方によって度数と差し込む方向がわかる。

 調べてみると、視覚障害のある人への工夫がたくさん見つかった。しかし、わが家の和室はリビングより6センチ高い。お風呂も入り口が狭く段差がある。今日歩いた道路に自転車や荷物が置いてあると役に立たないばかりか、とても危険だと思った。(中略)祖父の病気をきっかけにいろいろなことを考えさせられた。最近、テレビや新聞で“バリアフリー”という言葉を目にする。建物や道路はもちろんのこと、人間と人間の間のバリアフリーがもっと大事なのでは…。と思った。 」

■祖父の病気をきっかけに、目の不自由な人たちへの工夫を調べ始めた中学生の心の動きや、調べてみて初めてわかったことが表現されている作文です。普段から祖父や周りの人たちに優しさをもって接している様子が目に浮かんでくるようです。最後に彼は、「一番大切なことは、人と人との間のバリアフリーだと呼びかけていますが、まさにその通りだと思いました。 

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